2016年3月22日火曜日

・<25 plus 9>(茨城)県西総合病院で常勤外科医がゼロに

私は<25 plus 9>。あまり議論にならなくなった医師問題や医療機関の今日的な動向について探ってみたいと思う。

 茨城県桜川市の県西総合病院で四月から外科医の常勤医が0「ゼロ」になることが発表された。現在は三人が救急医療を含め当病院の消化器系外科を一手に引き受けている。この地域医療への影響は避けられない。県西総合病院は筑西市民病院と再編統合され、2018年10月、新中核病院として開院する予定だ。


県西総合病院(桜川市)
→ 県西総合病院ホームページ

 朝日新聞によれば、三人の外科医は千葉大からの派遣で「引き上げ」を告げられたという。「引き上げ」の理由について新中核病院の理事長と院長に、筑波大と自治医大の教授が就くことが決まり、両大を中心に病院運営を進める方針となったことが理由のひとつではないかという(中原智子院長)。

 まるで、「引き上げた千葉大のせい」とも受け取れるが、それはあまりに単純すぎる。大学の引き上げが引き金になることはあるが、医師不足についてはこれまで議論されてきたことでもあり、その背景には低診療報酬と過酷な医師労働がある。今年四月からの診療報酬改定も診療報酬は引き下げられた。とくに病院には厳しくなっている。

 医師問題は終わっていない。「財政難」を理由にした社会保障費の削減が続く限りそれは終わらない。

(以下、参考・引用)

▷茨城)常勤外科医がゼロに 県西総合病院、4月以降

(地域) 2016年3月18日 (金) 配信:朝日新聞(出所:m3.com)http://digital.asahi.com/articles/ASJ3K2JTSJ3KUJHB001.html?_requesturl=articles%2FASJ3K2JTSJ3KUJHB001.html&rm=460

 桜川市の県西総合病院で4月以降、3人いる外科の常勤医がゼロになることがわかった。病院を運営する桜川、筑西両市の一部事務組合の議会で17日、中原智子院長が明らかにした。常勤内科医1人も退職するといい、入院患者の受け入れも制限される。地域医療に及ぼす影響は大きい。

 県西総合病院には12の診療科がある。許可病床数は299だが、医師不足などの影響で実稼働の病床数はそれを100以上下回る。最大30人以上いた常勤医は現在15人。うち内科は4人で、外科は3人だ。県西総合病院は筑西市民病院と再編統合され、2018年10月、新中核病院として開院することが決まっている。

 3人の常勤外科医は千葉大からの派遣だ。中原院長によると、昨年12月初め、千葉大の責任教授から連絡があり、3人の「撤退」を告げられたという。教授との面会を試みたが、会えなかったという。事務組合長の大塚秀喜・桜川市長も教授に「派遣継続」の要請を試みたが、面会はかなわず、1月下旬、3人の引き上げが正式決定した。同時期、消化器内科の常勤医の退職も決まったという。

 組合議員から「千葉大の引き上げ理由」をただされた。中原院長は、新中核病院の理事長と院長に、筑波大と自治医大の教授が就くことが決まり、両大を中心に病院運営を進める方針が示されたことも理由の一つではないかと示唆した。

 一方、外科と消化器内科の常勤医がいなくなることで病院経営は厳しくなる。外科手術ができず、入院が必要な消化器疾患の受け入れが不可能となるからだ。今年度に比べ、新年度の医業収益は3億円弱減ることが予想されるという。

 筑西広域消防本部によると、昨年の県西総合病院への救急搬送は579件で、桜川市内の救急搬送先として集中している。消防本部の幹部は「外科手術ができず、消化器疾患の受け入れが無理となれば搬送先の候補からはずさざるを得ない」と話す。市内の医療機関は少なく、真壁医師会によると、診療所は15で病院は3院。医師会幹部は「県西総合病院は地域医療の中心だっただけに、影響は大きい」と懸念する。

 中原院長は答弁の中で「新中核病院に移行するまでの2年半、安全・安心の医療を提供し、この地域の医療を守っていくことが県西総合病院の責務と考える」と述べ、関係機関などに理解と協力を求めた。(吉江宣幸)

2016年3月20日日曜日

・<25 plus 9>診療報酬引き下げ、社会保障の削減で、また四月から負担増

    私は<25 plus 9>。
    四月から診療報酬引き下げが実施され、医療費など社会保障費の国民負担が増える。「大病院」から患者を引き離す。病院の経営も大変だろうし、どちらも患者のためにはならない。病院は保険と自由料金の混合診療の導入を含む、認められる「自由料金」を増やさざるを得ないからだ。

 どの世論調査でも社会不安を反映し「社会保障政策」への要望は高い。しかも消費税は社会保障費に使うと言う嘘八百(だが麻生財務相などは「カネに色はついていない」とも・・・・・)。
 しかし、アベ政治ではその99%の所得層の要望を逆手に取り「財政難」「社会保制度の維持」といいながら、国の負担を減らし国民負担を増やしている。国の負担をまんべんなく減らすというならわかるが、大型「公共投資」、法人減税など大企業への助成は増やす方向だ。
...

(以下、参考・引用)

▷(経済)社会保障、来月から負担増 大病院 紹介状なしで追加費

東京新聞 2016年3月20日 朝刊:http://www.tokyo-np.co.jp/…/…/201603/CK2016032002000129.html

 四月から社会保障の負担が見直される。医療では紹介状なしでの大病院受診や保険料、入院時の食費などが軒並みアップし、国民年金保険料も上がる。家計にとっては重荷となりそうだ。
 医師の紹介状がないと窓口で追加負担を求められるのは、五百床以上などの大病院で、全国約二百四十カ所に上る。診察の費用以外に初診で五千円以上、再診で二千五百円以上が必要となる。


 大病院に患者が集中し、待ち時間が長いなどの問題が指摘されているため、軽症の人はまず診療所などで受診するよう促す。高度な医療を担う大病院と、身近なかかりつけ医との役割分担を進めるのが狙い。

 入院時の食費負担も一食二百六十円から三百六十円に増える。対象者は約七十万人と見込まれる。住民税が非課税の人や難病、小児慢性特定疾患の人の負担額は据え置く。

 高所得者は健康保険料がアップする。会社員が加入する健康保険組合などの保険料は、算定の基礎となる「標準報酬月額」の上限を引き上げる。市町村が運営する国民健康保険でも、医療分の保険料の年間上限額が六十九万円から七十三万円に引き上げられ、高所得者の保険料負担を増やせるようになる。適用される年収基準は市町村が決める。

 国民年金の保険料は六百七十円上がり、月一万六千二百六十円になる。一方で支給額は据え置かれ、負担だけが増える形だ。

 このほか雇用保険料率を1・0%から0・8%に引き下げることが盛り込まれた法案は三月中に成立する見通し。保険料は労使折半で、年収四百万円の会社員の場合は、保険料負担が年一万六千円(四千円減)となる。

(図表)前掲、東京新聞。